理事長所信
一般社団法人伊勢青年会議所2019年度
第六十三代理事長 磯部 晶男
伊勢青年会議所は1957年に誕生して以来、62年の永きにわたり、先輩諸兄の英知と勇気と情熱を持った行動により、「明るい豊かな社会」の実現に向けた活動を展開され、地域の発展という大きな功績を残されてきました。その伊勢青年会議所の価値ある歴史と伝統を紡いできた先輩諸兄に敬意と感謝を表するとともに、これからの一年間を共に歩む同志たる伊勢青年会議所会員一人ひとりに感謝を申し上げます。そして先輩諸兄から引き継いだ歴史と伝統を強く心に刻み、我々の住まう伊勢の地域をさらに素晴らしい地域へと導くために、活動を展開していかなければなりません。
時代は平成から新元号に変わる大きな転換の年であり、東京オリンピック・パラリンピックを来年に控えている現在の日本は、景気回復の兆しは見えるものの、地方経済は低迷しており、人口減少、自然災害、情報の氾濫等たくさんの課題を抱えています。また我々の住まう地域も同様の課題を抱えながらも、物質的には豊かな時代でもあります。しかし、その一方、少子高齢社会に併せた人工知能・自動化の波が進んでおり、自動運転、マイナンバー、コンビニ、銀行等の作業が自動化されつつあり便利になってきていることは確かではありますが、生活する人々のライフスタイル、仕事など価値観が変わり、人と人とのコミュニケーションにも変化が生じ、社会に深刻な事態をもたらす可能性があるのではないでしょうか。
そのような時代であるからこそ、まちに住まう人が改めて生きることに悦びを感じ、住まうことへ感謝をする必要があると考えます。まちに住まう人と人とが手を取り合い、一つの大きな輪になってまちを考え、まちを知らなければなりません。
まちに住まう一人ひとりの心が豊かになり、愛する人とともに自然と幸せを感じれることがあるべき姿であります。
時代の変化はいつの世でもありますが、我々青年会議所会員は分かれ道に立った時、迷うことなく自分の意志と信念で道を決めていかなければなりません。他人の選んだ道を一緒に追いていくより、例え自分の選んだ道が間違っていたとしても、その決断は以後に自分の糧となり、それが知識・経験・自信という財産になりうるからであると考えます。青年会議所会員はその変化や流れに柔軟に対応していきつつも、物事の本質をとらえ、行動していかなければなりません。
青年会議所会員は、次代を担い伊勢の地域を背負う青年経済人であり、どのような場面においても何事にも柔軟に対峙し、先頭に立って突き進んでいくリーダーでなければなりません。自らの前に大きな壁が立ちはだかった時、ただただ時間の流れに身を任せるだけでは前には進みませんし、他人に身を委ねて解決してもらっても、それは自分の糧にはなりません。手の皮が剥けても、爪を欠いてでも乗り越えていくという気概を持った姿勢こそが、地域のリーダーとしての資質ではないでしょうか。
青年会議所活動一つひとつに真剣に取り組み、また工夫ある活動を通して他の会員と交流し、友情と敬意を育み、真心と礼儀を尽くすことで、会員としての資質を高めていかなければなりません。
前を向き、周りを見渡し、疾風の如く行動する姿こそが、背中を見せることになり、常に頼られる大きな存在に繋がると確信しています。
「お伊勢さん」の親しみで呼ばれる神宮がご鎮座する我々の住まう伊勢の地域は、古くから日本人の「心のふるさと」として親しまれてきました。そんな伊勢の地域に住まう青年会議所会員である我々は、地域の子どもたちに誠の心の豊かさを気付かせなければなりません。子どもたちがそれを知り、健全に成長し、常識を持った大人へと成長することが、地域の発展に繋がると考えます。受け継がれてきた事業を変わらず引き継ぎ、さらに素晴らしい事業となるよう努めていかなければなりません。
だからこそ、会員拡大の充実を図り、子どもたちにたくさんの背中を見せる同志を増やしていかなければなりません。
一人でも多くの同志を増やすことが、子どもたちの成長、延いては地域の発展に繋がると確信しています。
時代が大きく変わる中で、青年会議所会員が継続的に活動を行っていくためには、伊勢青年会議所が柔軟に対応できる組織でなければなりません。決められた定款、運営規定を順守し、必然的に運営していくことが求められます。一つひとつを再確認し、その時代に即したものに変えるのも時として必要であると考えます。時代の変化に対応しつつ、盤石な組織の体制を整えていかなければなりません。
また組織として、我々の活動を地域の人たちに知ってもらうのは当然であると考えます。地域に我々の活動を事細かく発信し、組織への理解・発展に繋げていかなければなりません。
組織自体を理解し、必然的な運営を自然と行うことができたら、伊勢青年会議所をより盤石な組織へと導くことができると確信しています。
会員は組織の根幹であり、会員拡大は会員が一丸となって取り組まなければならない伊勢青年会議所喫緊の課題であります。会員拡大とは青年会議所運動そのものであり、我々の運動に対する社会からの評価であり、我々の活動で最もわかりやすい成果であると考えます。青年会議所という組織に誇りを持っているでしょうか。自信をもって青年会議所活動を語れるでしょうか。青年会議所活動に可能性や価値を感じているでしょうか。我々自身が組織に誇りを持たなければ、会員の拡大は成功しません。会員一人ひとりが、地域を想い、誇りを持って青年会議所活動に打ち込み、魅力的で、輝ける存在であることが会員拡大を成功に導くと確信しています。
青年会議所は、様々な個性を持った会員が集い、自分自身を磨くことのできる素晴らしい団体です。しかし、自ら動かなければ何も変わりません。何もせずに誰かが何かを与えてくれるわけでもありません。自分自身が積極的に参画し、高い志を持って取り組むことで何かを掴み取ることができるのです。そして、この伊勢の地域で活動ができること、また支えてくれる全ての人に感謝し、伊勢青年会議所の会員であることに誇りと自信を持って、会員全員で心をひとつに力を合わせ、今しかないこの時間、この一年間という限られた時間を共に楽しんでいきましょう。